予防効果というけれど…
ワクチンを接種することによって病気が予防できる、といったことがよく言われていますが
・鍼灸・整体など
で病気がケガが予防できるといったことを謳っている場合、予防効果は怪しいと思っています。
その理由を考察してみます。
統計をとっても条件がふわっとしすぎてる
予防効果がある、とはっきり言うのであれば統計的な裏付けは必須です。
ところが整体や鍼灸場合は
・現場レベルでの統計を語っている場合が多い
・そもそも統計のエビデンスレベルが低い
といったことが通常です。
現場レベルでの統計は
・実際の患者さんの経験値
でものを語っていることがほとんど。
そして、実際の患者さんで統計を取ろうと思うと
・条件(症状とその原因)があいまい(統一できない)
・対人での心理的な効果(プラセボ)を除外できない
ことがあるので、統計結果もちゃんとしたものが取れません。
そもそもの鍼灸などの研究論文を見ると、エビデンスレベルが低いものばかりというのもあり、そもそも鍼灸でエビデンスを作るの自体が難しいのもあります。
予防効果の統計結果、エビデンスを作るのは本当に難しいと思います。
相当なコストをかけないと作れなんじゃないでしょうか。
予防できたというけれど、予防しなかったらどうなった?
あとは予防効果の判定が難しいケースが多いということ(鍼灸や整体の現場レベルでは)。
これをやったから予防できてます、と言ったところで、それをやらなかった場合にどうなっていたかはハッキリ分かりません。
それをやらなくても病気やケガにならないケースも当然出てくるので、予防効果の判定は難しいと思いまいます。
やはり先ほども言ったように大規模で精密な条件で実験しないと予防効果の確定は難しいでしょうね。
東洋医学の未病という概念
東洋医学では【未病】という概念がありますが、あれも難しいですよね。
病気になる前の状態、と言いますがそれには基本的にエビデンスはありません。
病気になる前、病気になる可能性というのはある意味、誰にでもあるものなので。
健康な人であってもです。
病気になる前の状態から治療に、そもそも病気にならないようにするという取り組み自体は素晴らしいものですが、あてにしすぎのはちょっと、という感じです。
あてにするのであれば、少なくともエビデンスはないということを分かった上で試した方がいいと思います。
薬などのエビデンスがあるもので対応できなかった、というケースであればエビデンスのないものでも試してみた方がいいなるので、そういったケースであれば全然いいかもしれないですね。