口から食事を摂ること自体が生体リズムを作る
食事を口から摂るのは当たり前のことではありますが、そこにはあまり知られていない超重要な意味があります。
それは
・生体リズムを作るのに重要
だということ。
それを紹介していきます。
口から食事を摂るのは当たり前だけど…
結論から言ってしまうと、口から食事を摂ることで
・副腎皮質ホルモンの日内リズムが作られる
ことが分かっています(ラットの実験結果ですが、人間にもおよそ当てはまります)。
実験としては
・経口で栄養を摂る
・静脈に栄養を送る(非経口)
で副腎皮質ホルモンの日内リズムがどうなるかを観たのですが、栄養を摂るという意味では全く同じなものの、
・経口で栄養を摂った場合はリズムが作られ非経口の場合はリズムが消えた
という結果になってんですね。
ちなみに、副腎皮質ホルモンがどれだけ重要かを知らない人もいると思うので、説明していきます。
副腎皮質ホルモンは
・コルチゾール
・アルドステロン
・アンドロゲン
になります。
中でも【コルチゾール】は最重要ホルモンで
・炎症の制御(免疫反応)
・糖代謝
・タンパク質代謝
・外的ストレスへの反応(環境への対応)
などを司っています。
なので、それらの副腎皮質ホルモンの日内リズム(分泌調整)が狂ってしまったり消失してしまうと、身体の不調を引き起こす大きな要因になります。
自律神経失調症やうつ病、パニック障害などの心の病にも大きく影響していきます。
それだけ副腎皮質ホルモンの影響は大きいんですね。
そこに関与するのが
・経口での栄養摂取(口から食事を摂る)
なんです。
経口と非経口の身体の反応の違いの理由
経口か非経口かの違いは、食べたものが
・消化管(食道など)を通過するかどうか
です。
消化管に食べ物が入ると、消化管が広がったり伸ばされたりすることになります。
いわゆる機械的な刺激が入るので、それを消化管が感知することになります。
その消化管が感知した情報が脳に信号を送ったりすることで、ホルモンの分泌が調整されているということです。
寝たきりになり、胃ろうや点滴で栄養を摂る人が、栄養はしっかり摂れていてバランスもいいのに、体調がどんどん悪くなるのは、
・経口摂取しておらず副腎皮質ホルモンの分泌がおかしくなっているから
という面も強いのだと思います。
自分の家族が口から食事を摂れなくなってきたら、要注意です。
思わぬ体調不良や心の不調に苦しむことになるかもしれません。
そこに加えて認知症になるリスクも増大しているはずです。
コルチゾールは炎症反応や糖などのエネルギー代謝に関与しているので、その影響は必ず脳にも出てしまいますから。
怖すぎですね。
口から摂るのに加えてタンパク質が大事
余談ですが、経口、非経口どちらの場合でも、食事の栄養素に【タンパク質】が含まれていなくても副腎皮質ホルモンの日内リズムは消失します。
タンパク質の中でも【必須アミノ酸】が、なんですが(必須アミノ酸は自分でつくれませんから)。
まとめると
・食事を口から摂らず食事にタンパク質が含まれていないと副腎皮質ホルモンの日内リズムが消失する
となります。
口から食事を摂ることとタンパク質をちゃんと摂ること。
ある意味普通のことなのですが、