井上尚弥の胸が意外と薄いのは…
・ボクサーの計量で裸を見ると意外とごつくない
・井上尚弥、身体細くない?
・ボクサーって身体小さいよね?
という疑問を持った方、それにはちゃんとしたワケがあります。
ボクサーの体型から見えてくること
ボクサーの身体の特徴、目立つポイントとして
・大胸筋が薄い(胸が薄い)
ところです。
ボクサーは腕を使って戦うので、肩や腕の動きに関係する大胸筋は発達するんじゃない?と思ってしまいますが、実はそうではないんですね。
というか、ストレート系のパンチが上手いボクサーは大胸筋をあまり使わないんです。
逆にストレート系のパンチが苦手やフック系のパンチが多いボクサーは大胸筋が発達します。
良いボクサー、強いボクサーはだいたいストレート系のパンチが上手いので、大胸筋が薄めの人が多いんですね。
ストレート系のパンチでは特に、腕や肩の脱力が大事なのですが、それはパンチという腕を前に伸ばす動作に適した筋肉が腕や肩にないからです。
腕を伸ばす筋肉の代表は【上腕三頭筋】ですが、上腕三頭筋の筋肉の走行を考えると全くパンチには向かない筋肉です。
大胸筋も同じで、大胸筋は腕を内側にたたむ筋肉なので、腕を伸ばすストレート系のパンチにとっては逆の作用を生み出してしまいます。
拳に力を入れて力むとパンチ力が落ちるワケ
後はついでに言っておくと、指を握り込む筋肉も緊張が高まるとパンチで腕を伸ばす動作を邪魔するので、ボクサーの人は拳を握り込むのはインパクトの瞬間、と言っていますね。
指をしっかり握り込む筋肉は実は上腕骨の端と繋がっているので、肘を曲げる作用をあるんですね。
じゃあ、指が少し伸びたままパンチするのかというとそうではなく、手についてる【虫様筋】があるから大丈夫です。
虫様筋は手の中手骨という骨から指の骨に繋がっていますが、その作用は指の根元を曲げる作用があります。
そこさえ曲がっていれば、指がパンチ方向に伸びることはありませんので。
かつ、指の第一、第二関節を曲げる上腕骨からの筋肉を収縮させて肘を伸ばす動きの邪魔をすることがないという、非常に合理的な理由があります。
人の身体にはその人の歴史がでる
身体はその人の歴史を表しますので(心身ともにの歴史)、見てるだけでも色々分かります。
ボクサーの大胸筋を見ると
・ストレート系のパンチが上手いのか
・フック系のパンチが上手いのか
とか過去の試合映像を合わせて見ると、得意なパンチと苦手なパンチも見えてきます。
面白いですね。