呼吸は酸素をたくさん取り入れたらダメ
呼吸機能は身体の基本、飢餓ですぐに死ぬことはなくても呼吸が止まればすぐに死んでしまいます。
また、呼吸によって酸素が身体に配られないと細胞が機能を発揮できないので老けやすくもなります。
そんな生命維持にもアンチエイジングにも大事な呼吸ですが、
・呼吸は酸素をたくさん取り込めむほうがいい
と思っている人は多いのではないでしょうか。
実はそれは間違いなので、その理由を説明していきます。
呼吸の真実
結論から言いますと
・酸素をたくさん取り込むと血中の二酸化酸素濃度が下がり、ヘモグロビンが酸素を体組織へと離す(配分する)割合が減る
んですね。
ボーア効果といって
・血中の二酸化酸素濃度によってヘモグロビンの酸素解離率が変化する
生体反応があるのですが、それによると
・血中の二酸化酸素濃度が高まるとヘモグロビンが酸素を離しづらくなる
・血中の二酸化酸素濃度が下がるとヘモグロビンが酸素を離しやすくなる
ことになります。
この理屈の肝は
・血中の二酸化酸素の濃度次第でヘモグロビンの振る舞いが変わる
ということ。
酸素よりも二酸化酸素次第なんですね。
二酸化酸素というと酸素が使われた後のゴミのように思われている人も少なくないと思います。
また地球温暖化効果があるのも二酸化酸素で、何か悪いもののようなイメージもありますよね。
ですが、呼吸に関して言うのであれば非常に重要な要素です。
現代人は呼吸機能が低下している人が多いですが、それは呼吸に関して勘違いをしているのも一つの原因かと思います。
二酸化酸素濃度が重要なのに酸素をたくさん取り込んで酸素濃度を上げよう、としているのですから。
口呼吸の問題点
あとは口呼吸も問題です。
血中の酸素濃度、二酸化酸素濃度のバランスを考えても口呼吸は鼻呼吸より不利です。
まず空気の通り道の大きさを考えると
・鼻の穴より口の穴の方が大きい
というのがあります。
口の方が大きい分、空気をたくさん吸えますよね。
たくさん酸素を取り込むことができるワケです。
それが酸素の摂り過ぎ問題につながるんですね。
あとは口で息をする方が息がしやすいのも、結果として酸素を摂り過ぎてしまうことになります。
息がしやすいのでどんどん空気を吸って酸素を取り込んでしまうワケです。
口呼吸の空気の取り込みやすさが仇となって逆に不健康になるとは、面白いですね。
覚えておいて欲しいこと
この記事の内容で絶対に覚えておいて欲しいことは
・呼吸の肝は酸素を多く取り込むことではない
ということ。
呼吸で大切なのは
・血中の二酸化酸素濃度(酸素と二酸化酸素のバランス)
です。
それを気を付けるだけでも身体の調子は変わり老けづらくなると思いますよ。