インスリンが肥満を引き起こす
インスリンというホルモンは有名でみなさん知ってると思いますが、
【インスリン抵抗性】
というワードを知っている、理解している人は多くはないと思います。
アンチエイジングを考えるうえで大事なワードなので解説していきます。
インスリンが抵抗する?
まずインスリンの役割をざっくり説明すると
・血糖値を下げる
ことです。
そして、どう血糖値を下げているかというと
・血糖を脂肪に変換することで血糖を減らしている(脂肪細胞に取り込ませる)
・血糖を筋肉や肝臓に取り込ませてエネルギー源にする
形です。
では本題のインスリン抵抗性は何か、を簡単に言うと
・インスリンの効きやすさ
です。
インスリンが効くということは
・血糖値が下がる
ことになりますし、効かないということは
・血糖値が下がらない
ということになります。
そして、インスリンが効きやすい状態が
・インスリン抵抗性が低い
という表現になり、効きにくい状態が
・インスリン抵抗性が高い
という表現になります。
つまり、
・インスリン抵抗性が高い=悪い状態
と覚えておけばOKです。
インスリンが抵抗するワケ
では、そのインスリン抵抗性がなぜ上がってしまうのかというと
・インスリンの分泌量が増えすぎて身体が悪い意味でインスリンに慣れてしまう
・内臓脂肪が出すアディポカインという物質たちがインスリンの働きを邪魔する
といった要因です。
実はこれ、どちらの要因も簡単に言うと
・肥満
ということなんですね。
なので、
・太るとインスリン抵抗性が高くなる
と覚えておきましょう。
太った人に糖尿病が多いのはそういうワケです。
まず肥満ありきでインスリン抵抗性が上がるんですね。
あと、インスリン抵抗性が上がるのはインスリンの分泌量が増えすぎたから、という理由を上げましたが、なぜインスリンの分泌が増えるのかというと
・血糖が増えすぎたから
です。
血糖が増えすぎて糖尿病になると、血糖自体が血管などの体組織を破壊するので、血糖の増えすぎは抑えないと危険です。
そこでインスリンが頑張って余分な血糖を脂肪に変換して、血糖の片づけをしているんですね。
ここで気になるのはやはり【脂肪】ですよね。
脂肪が増えることになるので肥満になるのはもちろんのこと、脂肪の一種である内臓脂肪が出す【アディポカイン】はインスリン抵抗性を上げてしまいます。
脂肪は増えるわインスリンは効きにくくなるわで、負の相乗効果でどんどんインスリン抵抗性が上がっていきます。
それに伴って、どんどんインスリンの分泌量が増えていきます。
インスリンを分泌する【膵臓】は大忙しです。
実際に膵臓が過労死することもあり得ます。
膵臓が過労死(回復不可のダメージを負う)すると、ついにはインスリン自体が分泌されなくなります(激減します)。
インスリン抵抗性と糖尿病
そうなると、血糖のコントロールができなくなり血糖がどんどんあふれることになります。
それがいわゆる【糖尿病】です。
糖尿病は血液の病気のようなもの。
血液は全身を巡るものですので、全身に症状が出るやばい病気です。
・末梢神経障害
・細胞壊死(指などを切除することもあります)
・腎機能障害(透析をすることになる可能性も)
・根本的な活動エネルギー不足
などが引き起こされます。
ここで最初に挙げたインスリンの役割の一つ
・血糖を筋肉や肝臓に取り込ませてエネルギー源にする
に戻って考えたいのですが、インスリンは血糖が身体のエネルギー源になるようにも働いてくれています。
なので、インスリンがなくなってくると血糖の分の活動エネルギーが使えなくなります。
加えて、糖をトリガーにした代謝システムを使えなくなります。
血糖は身体にとって必要不可欠なエネルギーです。
それが使えなくなるということは、身体機能の維持もできなくなってくるということです。
糖尿病の人は
・肌の色が悪い
・筋肉が細くなる
といった弱々しい感じに見えるのですが、それはエネルギー不足だからでしょう。
この記事を書いていても、我ながら怖くなります。
インスリン抵抗性、やばい病気である糖尿病にも関与する大事な要素ですので、ぜひ覚えておいてください。