炎症反応には悪いイメージが
炎症反応、と聞くと何か身体に悪いイメージを抱きがちです。
『炎症が起きて腫れる』、『炎症が起きて痛い』、『熱が出る』など確かに身体に不利益をもたらすことはあります。
なので炎症反応と聞くと怖さを感じたり、嫌悪感を感じしまうことは少なくないと思います。
ですが、それは炎症反応の一面でしかありません。
実際に炎症反応が身体に何をしてくれているのかを説明していきます。
炎症反応が起きるワケ
炎症反応がなんのための起きるのかというと、実は
・身体を治すため
なんですね。
何も身体を壊すために起きている反応ではない、ということ。
この認識がないと炎症反応と正しく付き合えません。
ケガした時の炎症反応
例えば身体にキズがついた(ケガした)とき、そのキズを塞がないといけません。
なので、身体はキズを塞ぐ材料を大量生産してそこに流し込むわけです。
そして、そのキズをしっかり塞ぐためにキズを塞ぐ必要最低限の分量ではなく、多めの分量がそこに流れていきます。
多めの分量というのがポイントで、それが【腫れ】に繋がってきます。
足首をねん挫した後にめっちゃ腫れた、という経験をしたことがある人もいると思いますが、まさにそれです。
炎症反応で熱が出るのも身体を治すため。
例えば体温によって体内の酵素や免疫、代謝の働きは変わってきます。
体温が高い方が活性化するようになっています。
治す力を引き出すためには体温をあげた方がいい、というのは風邪でも同じ。
キズを治す場合に免疫は関係ないのでは?と思う人もいるかもしれませんが、擦り傷なんかだと傷口に雑菌が入った場合を考えると、免疫も高めておかないとマズいです。
炎症反応が慢性化すると?
といった具合に、炎症反応は実は悪者ではなく身体に必要不可欠な存在です。
炎症反応が悪物になるのは、それが慢性化した場合です。
自己免疫疾患がその代表例。
リウマチや全身性エリテマトーデス、アトピーなど、免疫が暴走して自分の身体を傷つけ炎症反応が慢性化した状態になります。
その状態だと、炎症反応は完全な悪者です。
また自己免疫疾患でなくとも炎症反応が慢性化するケースもあります。
それは生活習慣の乱れです。
食事、運動、睡眠、そのどれか、または全部が乱れることで身体は自分自身の正常な状態を見失います。
炎症反応のスイッチのオンオフのコントロールも出来なくなってくるんですね。
その結果、自己免疫疾患でもないのに炎症レベルが上がり慢性化します。
そのケースも炎症反応は悪者になります。
炎症反応には悪い一面があって、そのイメージが強くなってしまいますが、本質的には身体にとって必要な反応です。
炎症反応が起きているからダメ、ではないという認識を持っていれば必要以上に怖がることは少なくと思います。